不貞の慰謝料請求をしたい方へ

不貞の慰謝料請求は,浮気をした配偶者とその浮気相手が,婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益を侵害したとする不法行為に対して,慰謝料を請求するというものです。
不貞とは,配偶者ある者が,自由な意思に基づいて配偶者以外のものと性的関係を結ぶこととされているため,不貞の慰謝料請求をするには,性的関係をもったか否かが重要です。
性的関係をもったか否かは,訴訟で争われることが多いため,証拠が非常に重要です。

不貞の証拠

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「ラブホテルに出入りしている写真」を提出することが多いですが,宿泊旅行や,浮気相手の自宅に宿泊等をしているなども挙げられます。 浮気相手とのメール・LINEのやりとりもよく出されますが,「性行為の存在を確認または推認できる」内容であれば別ですが,基本的には,上記の証拠を裏付けるための証拠であることが多いです。
したがって,メールやLINEの場合は,その内容を問い詰めた際に,たとえば誰と不貞行為をいつ行ったのかを認めた内容で一筆もらうことも検討すべきでしょう。

不貞の慰謝料は,いくら請求できるかは一概にはいえません。
不貞の経緯や,不貞の期間,婚姻期間や子どもがいるか,不貞発覚後の行動等を総合的に判断して,数十万円から数百万円まで,幅広く認められる可能性があります。
ただし,注意が必要なのは,不貞行為を行った配偶者とその相手方に二重に請求することはできません。あくまでその配偶者と相手方の二人で「婚姻共同生活の平和の維持という権利または法的保護に値する利益」を侵害する一つの不法行為をしたことになるためです。

また,不貞行為により離婚に至ったとしても,夫婦関係破綻の責任追及を不貞配偶者の相手方にすることはできません。
最高裁判例平成31.2.19によると,離婚させることを意図し,夫婦間に不当な干渉をした場合など特段の事情がない限り,不貞相手に離婚の慰謝料請求を請求することはできないとしました。

もっとも,そうだとしても,離婚に至った責任追及はあくまで不貞配偶者に請求できますし,不貞の慰謝料請求そのものを相手方に行うことは否定されていないと一般的には解釈されています。

このように,不貞の慰謝料請求を行う場合には,訴訟に至ることが多く,その場合証拠作成の点や,判例の知識,訴訟技術等の観点からみても,弁護士に相談された方がよいでしょう。

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